JCOG 胃がんグループ

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JCOG胃がんグループ代表 
吉川 貴己

 JCOG胃がんグループのホームページをご覧頂きまして、ありがとうございます。2023年4月よりグループ代表を務めることになりました、国立がん研究センター中央病院の吉川貴己です。

 JCOG(Japan Clinical Oncology Group; JCOG)とは、「日本臨床腫瘍研究グループ」の略称で、「がん」に対する新しい治療を開発するために組織された多施設共同研究グループのことです。JCOGは、国立がん研究センター研究開発費、日本医療研究開発機構研究費などの公的研究費を主体として運営されています。

 JCOG胃がんグループは、1984年に活動を開始したJCOGのなかでも歴史ある研究グループです。北海道から九州まで、60を超える施設が参画しています。グループの参加施設は、内視鏡、手術(腹腔鏡、ロボットを含む)、化学療法のそれぞれの専門家が在籍し、質の高い診療をおこなっています。胃がんに対して、「より治る可能性の高い治療」や、「より有害事象の少ない治療」を開発しています。患者さんにご参加頂く臨床試験により、効果と有害事象(薬の副作用や手術の合併症など)を加味したうえで、統計的に優れていることが証明されてはじめて、新たな治療が「エビデンス」として確立します。新しく確立した治療は、「標準治療」となります。すなわち、現在の「標準治療」とは、"並み"の治療ではなく、その時点で考えられる「最善の治療」です。

 胃がんの主たる治療には、内視鏡による粘膜切除、手術、薬物療法があります。ごく早期の胃がんには内視鏡切除が標準となります。リンパ節転移の可能性がある胃がんに対しては、リンパ節とともに胃を切除する手術が標準治療です。目に見えない転移や、明らかに遠隔転移がある胃がんに対しては薬物療法が標準となります。

 現在、JCOG胃がんグループでは、「消化器内視鏡グループと共同で高齢者の早期胃癌に対する内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)の開発」、「ロボット支援下胃切除術の開発」、「切除範囲を縮小した手術の開発」、「ステージ2/3に対する術前化学療法の開発」、「高齢者に対する術後補助化学療法の開発」、「食道がんグループと共同で接合部がんに対する治療開発」、「スキルス胃がんに対する治療開発」、「ステージ4に対する化学療法著効後の根治的手術の治療開発」、「神経内分泌癌に対する化学療法の開発」などを行っています。

 JCOG胃がんグループでは、海外との連携も強化しています。これまでに、韓国やシンガポールと共同で臨床試験を行なった実績があります。欧州の多施設共同臨床試験グループであるEuropean Organization of Research and Treatment for Cancer (EORTC)とは、定期的に意見交換を行い、新たな研究に共同で取り組んでいます。また、当然のことではありますが、臨床試験は患者さんのために行うものです。胃がんグループでも、患者・市民参画(Patient and Public Involvement: PPI)を推進していきます。将来的には臨床試験の立案にも患者さんの代表が参加できるような取り組みも行っていきたいと考えております。

JCOG胃がんグループ代表
国立がん研究センター中央病院 胃外科 科長
吉川 貴己

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